用事を済ませ、赤信号で止まっていると、
うちの父と同じくらいのご老人が新聞紙に包んだ菊の花を片手に持ち、
杖をつきながらフラフラと歩いているのが車から見えました。
一瞬、くるまを止めて、乗せてあげようかと思いましたが、信号が青になり、後ろから車も来ていて止まれませんでした。
バックミラーでそのご老人を見ると姿が無かったので、少し先の細い曲がどをまがったのかと思い、そのまま止まる事をしなかったんですよね。
私はというと、そこから長い坂を上り、そこからまだずっといったお店に寄り、店内で色んなものを物色し、暑かったので車の中でアイスを食べました。
買い物してアイスを食べてトータル40分程いたと思います。そして、そのお店の駐車場をでると、
なんと、さっきのご老人が目の前の道を歩いていました。
えッ?ここまで歩いたの?あそこから?
ただただびっくりして、車を走らせながら胸が痛くなりました。
私がご老人を見た場所から、ここまでかなり距離があるのです。外は暑かったし、
それに、途中かなりながい上り坂もあります。
菊の花を持っていたので、きっと、仏壇に飾る花を買いに出かけたのでしょう。
たった一つの花を買うために、
小幅で力ない足取りで杖をつきながら、あの距離を往復したんだと思ったら胸が締め付けられそうでした。
去年の夏まで父もそうでした。遠くの店に1個のリンゴを買いに長い坂を上り下りして行ってました。
実家に行った時、父がいなくて心配で探し回ると(携帯を忘れて出かけることしょっちゅう)亀のような足取りでよろよろと坂を上って帰ってくる父に何度も遭遇したものです。
その時の、小幅でよろよろ歩く父の姿と、今回のおじいさんの姿が重なって、涙がでそうでした。
それからずっとそのおじいさんの姿が頭から離れず、心が痛みました。
きっと、奥様が先に亡くなり、うちの父のように一人で暮らしているのでしょう。
子供はいないのかしら、どうやって暮らしているのかしら、ご飯はどうしているのかしらと
気になって仕方なかったです。
歩いていた時はあんなに暑い午後2時頃だったのに、ジャケットを着ていました。
おじいさんが歩いていた道はバスを乗り換えなきゃいけなくて、乗り換えの時間もかなりかかるところ。
あの時に車を止めなかったのがすごく悔やまれます。
それに、私が車でアイスを食べていた最近できたお店には、おじいさんが手に持っていたような仏壇に飾る切り花が売っています。
今までみたいに遠くまで歩いていかなくても、すぐそこのお店に花が売っているのを、知らないのですよね。
何もかも心が痛みます。
父と同じくらいの年齢だと思います。
いつも父のお世話をしているので、あのおじいさんの父と同じような歩き方をみれば、普段の様子が想像できます。
父を探し回り、見つけて車に乗せた時、父がよく言ってました。
「天からの助けじゃ。」って。だから解るんですよね。
簡単に高齢者が歩ける道のりではないという事が・・・。
どうしてあの時車を脇に停めて声をかけなかったのだろう。
夜になっても、ベッドに入ってもあの姿があたまから離れませんでした。
普段、後期高齢者の父のお世話をしていると、同じ高齢者の方がきになってしまいますね。
今日も話を聞いて頂きありがとうございました。
ランキングからきました。
親と同じくらいの人を見ると
重ねてしまいますよね。
そういう方が安心して暮らせれば
いいですね。
れなさん、初めまして。コメントありがとうございます。
そうなんですよね。つい娘目線になり気持ちが重なってしまいました。
高齢者が多いのに、近くにお店がない地域なので。
高齢者の買い物難民が結構多いのではと思います。