めっきり外に出なくなった父のために景色を撮るための散歩が楽しくなりました。
お気に入りの同じ散歩道でも毎日違う景色が見られます。
春なのに秋のような落ち葉の色。
初めて見るこんなに変わった模様の雑草。
目を凝らしていて見つけたかたつむり。
公園の土手で見つけたアザミのつぼみ
そして、先日みつけたトカゲ。
父は認知症なので、これらの画像を見せても5分もすると画像の記憶は消えますが、それでもいいんです。
画像を見た瞬間の嬉しそうな顔をみると私も嬉しいし、目のつけどころがすごいな、と言って褒めてくれる。そして「ありがとう」と笑顔で喜んでくれるだけで、私の気持ちが満たされるので。
それに、父の為にと言いながら写真を撮るため散歩をしているうちに
長い間の引きこもりや、他人と目が合うと恐怖で息が出来なくなる症状が改善されていき、
今では、父の為に始めた散歩が、自分の病を克服してくれました。
そういえば、今年フラッシュバック現象が起きないのもこの散歩のおかげかもしれません。
「誰かのために何かをして、それを喜んでもらえる。」
小さな些細な事ですが、私には心の病を克服する大事な療法だったみたいです。
宗教DVに震えながら14年暮らした日々で私は「悪魔のいいなりの妻」という立場でした。
愛する夫から何かあるごとに、悪魔のようだと言われて次第に心がおかしくなっていった過去。
自分の存在を否定される辛さ。
そんな経験があるから、今の自分の行動や言葉や気持ちをただありがとうと受け入れてくれる事のありがたさが解ります。
父の本格的なお世話が始まって10か月。
父の暮らしのサポートをしてあげているという気持ちでいましたが、
お世話をする中で自分の心の病が回復しているのを実感すると、
父のお世話をしているつもりで、実は私が父から病を治すお世話をしてもらっていたみたいです。^^
無条件で自分を認めてもらえる事の幸せは、心の病には絶対条件だと思います。
認知症の父の素の優しい言葉が、私を救ってくれたように・・・。^^
今日もこれから写真を撮りにスマホを持って散歩に行ってきます。
今日も話を聞いて頂きありがとうございました。