柔らかく楽しく生きる。

50代おひとり様が、小さな暮らしの中でささやかながらも楽しく暮らす日常を綴っています。

認知症の父と私

今思えば私の自宅介護は他人を巻き込む危ないものでした。

投稿日:

「この症状が出たら、自宅介護は「禁」」
というタイトルに惹かれて認知症専門医の長谷川医師の、YouTubeを観ました。

この症状がでたら、ご家族が何と言おうが、できたら家で看るのは避けられた方がいいんじゃないですか?と先生が仰る3つの症状の中に、徘徊がありました。特に夜中の徘徊の危険性を言われていました。

この夜の徘徊。私も父の夜中の徘徊の時に全く同じ考えで怯えていたのです。
それは、夜中の徘徊で、ドライバーを加害者にしてしまう事。

父の徘徊はすぐ傍にあるやぶまでの短い距離でしたが、そのやぶがあるところは丁度道路がカーブしているところで、しかもそこの先に新しい家が何件か建ち、人通りが少なかった道に人も車も増えた場所なんです。

若いご家族が増えたので、それまでほとんど夜は車がいなかった道路に車が通るようになったんですよね。しかも道はカーブしてる。

夜中、電灯も無い真っ暗な細い道のど真ん中をヨタヨタ父が歩いている時に、カーブで曲がってきた車が父をはねたら、車を運転していた人は加害者になってしまう。

今の今まで、普通の暮らしをしていた人が一瞬で加害者になってしまう。

私はこのことをすごく恐れていました。

毎晩毎晩、私がウトウトと寝てしまった時を見計らうかのように真っ暗な中やぶまで行った形跡を知るたび、何度も恐怖が私を襲っていました。

父の認知症の行動のせいで、誰かの人生を狂わせてしまうかもしれないという恐怖です。

「ひかれた人よりもひいてしまった人の方が申しわけない」と長谷川医師も仰っていました。

「本当にその通りです!」と思わず口に出た程共感です。

夜の10時から明け方の4時まで、毎日何度も真っ暗な道に出てしまう父。何度ヨタヨタ歩く姿を見つけて誘導したことか。

そして、やぶでこけて立ち上がれなくなって、道路の真ん中まではって来て、真っ暗な中道路の真ん中でしゃがみ込んでいる所にもよく出くわしました。道路の真ん中ですよ。

小雨の中、ヨタヨタ歩いている間に急に土砂降りになり、雨の勢いで顔から倒れて、真っ暗な道路の真ん中にずぶぬれでしゃがみ込んでいる時もありました。

そんな時に、近所に出来た新しい家のかたが夜中車で帰ってきたりしたら、一発で父をひいて加害者です。

これが一番怖い事でした。

今思えば、あの時の自宅介護は限度を超えていましたね。
長谷川先生の仰る通りです。自宅介護は無理過ぎました。

それと、「この症状がでたら、家で看るのは避けたほうが良い症状3つのうちのもう1つが「火の不始末」でした。

これにも父には困っていました。
1度は家事にならなかったのが不思議なほど夜中に色んなものをマッチで焦がしていました。

後は台所のガス。夜中にガスを使い部屋中煙が充満していて飛び起きた事、数知れず。IHコンロは使い方が解らないし、小さなIHコンロを設置すると人が変わったように性格が豹変するし、だからガスの元栓閉めてみても効果なしで、火の不始末にも本当に困り果てていました。

今日、長谷川医師の動画を観て、自宅介護でなにも起きなくて良かったと、父を施設に入居させるまで、最悪の事が起こらなかった事が本当に良かったと、改めて思ったのでした。

認知症が激しく進んだ家族の面倒を素人の家族がお世話をするのは、他人を巻き込む事故と隣り合わせだと、今ははっきりそう思います。

◆「認知症の父と私」一覧

今日も話を聞いて頂きありがとうございました。

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