柔らかく楽しく生きる。

50代おひとり様が、小さな暮らしの中でささやかながらも楽しく暮らす日常を綴っています。

高齢の父の事

実家にあるもので宝物として残しておきたいもの。

投稿日:

そうそう、これこれ。これを見るとおじいちゃんを思い出すよね。と家族の皆が言いそうな物が実家にあります。

それは、父がずっと使っていた国語辞書です。

この辞書、いつから使っているのでしょう。

これを見ると、父がこの古い辞書を引いている姿が浮かびます。

この辞書は、認知症がかなり進んだ去年まで使っていました。

庭に生えている「ゲンノショウコ」という薬草を調べるのに、辞書をもってきてごらんと言い、めくっていました。

もう、内容を読む能力も無くなった頃でしたが、調べものというと、反射的に国語辞典と記憶が呼んだのでしょうね。

昔、白内障の手術をしてからは、メガネも持たず、ずっと自分の目で小さな文字を見ていました。

世界地図も良く見ていました。

父は小学生の低学年の頃から世界地図に興味があり、1つずつ世界地図の中の国の場所と国の特徴を覚えては自分の喜びにしていたそうです。

18歳で銀行員になった時、故郷の村にはイギリス系の大きな炭鉱があり、外国人がたくさん働いているその炭鉱現場まで預金を預かりに山を越え行っていたそうで、

その時に、その炭鉱で働いている外国人の人達のそれぞれの故郷の国の小さな村の事まで知っている父はすぐに心が通じあい、楽しかったとよく言っていましたね。

戦争が終わったばかりの貧しい父が、外国人のマナーの良さやクッキーや紅茶の美味しさや、フレンドリーな笑顔を小さな村にいて知る事が出来たのは、この世界地図を隅から隅まで頭の中に入れたからだと言っていました。

ワシはツイていた。と良く言っていましたね。

父がこの話をするたび、もう耳にタコが出来るほど聞いたよ~と心の中で苦笑いしながら、その度初めて聞く顔をして聞いたものです。^^;

この辞書と世界地図。父が亡くなっても棺桶には入れずに宝物として取っておきたいと思っているんです。

 

父はすごいなぁ。こんなに使い込んだ物があって。
私には何もない。

世界地図をめくると、中国の所に、以前私が住んでいたマンションの住所が父の字で書いてありました。心配してくれていたんだな。と今頃気付きます。

今日も話を聞いて頂きありがとうございました。

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  1. yuriyuremo より:

    素敵なお父様ですね。
    ほんとにいい話で、ほっこりしました。
    いつも心温まるブログをありがとうございます。

    • minori より:

      yuriyuremo様、こんばんは。

      父の話をお読み下さりありがとうございます。
      心温まると言って頂き嬉しいです。
      実は私、人生で辛かった事もあったであろう父の人生の楽しい事しか私は知りません。
      なので、認知症になる前にもっとたくさん話を聞いておけば良かったなと思っています。
      yuriyuremoさま、コメントありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

  2. おにぃ より:

    みのりさんこんばんは。
    お父様お話で私の祖父(大正生まれ)を思い出しました。父替わりの祖父でした。祖父は戦争で満州にしばらくいたようです。で、その時に戦争時の割にはとてもよい思いを沢山したそうで夏になると良くうれしそうに話してくれました。みのりさんのお父様もとても良い思い出だったのでしょうね。またこの話か~と思うこともありましたが今から思えばもっとその時の話を沢山聞いてあげればよかったなと思いました。

    • minori より:

      おにぃさん、こんばんは。
      先日は、コメントありがとうございました。
      メールでお礼を書こうと思いながら、今日になってしまいました。
      こちらでのお礼をお許しください。

      お父様替わりのおじい様だったのですね。2人だけの思い出もたくさんおありでしょうね。
      そうです、そうです。私も父の同じ話を上の空でへぇーへぇーと言いながら聞いていましたよ。^^;
      もっとたくさん聞いてあげれば良かったって気持ち、同じですね。
      私の祖父は、50代で倒れ言語障害が残り上手く喋れなくなったので、私は祖父の口から人生を聞いたことがないんですよね。残念です。

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